不安なのは、"今"を生きていなかったから。
理由もないのに、
なんだか不安な日がある。
特別何かがあったわけじゃない。
むしろ、平穏なはずなのに、
胸のあたりがざわざわする。
——こういう感覚、
あなたにもないだろうか。
私は、ずっとそうだった。
なんでこんなに不安なんだろう。
何が足りないんだろう。
答えを探して、
ぐるぐると考えていた。
答えは、拍子抜けするほどシンプルだった。
私は、“今”を生きていなかった。
ただ、それだけ。
複雑な理由なんて、
どこにもなかった。
こんなに悩んでいたのに、
答えはこんなにも近くて、
こんなにも単純だったのか——
そう気づいたとき、
目の前が、すっと開けた気がした。
意識は、いつも過去にあった。
あのとき、ああすればよかった。
どうして、あんなことを言ったんだろう。
終わったことを、
何度も何度も、後悔していた。
そうでなければ、未来にあった。
これから、どうなるんだろう。
うまくいかなかったら、どうしよう。
まだ起きてもいないことを、
先回りして、憂いていた。
過去と未来を、行ったり来たり。
気づけば、
“今”だけが、すっぽりと抜け落ちていた。
たぶん、多くの人が、
無意識にこれをやっている。
不安の正体は、これだったのかもしれない。
過去は、もう変えられない。
未来は、まだ来ていない。
どちらも、
今の自分には、どうにもできないもの。
手の届かないものばかりに
意識を向けていたら、
不安になるのは、当たり前だった。
だから、“今”に戻ることにした。
いま、何を見ている?
いま、何を感じている?
いま、何をしている?
意識を、目の前に引き戻す。
そうすると、不思議なくらい、
不安が静かになっていった。
今この瞬間だけを見てみると、
実は、困っていることなんて
ほとんどなかった。
難しく考えなくても、よかった。
「今を生きる」なんて、
どこかで聞いたことのある言葉。
でも、本当の意味で腑に落ちたとき、
それは、ただの言葉じゃなくなった。
不安は、消そうとしなくてよかった。
ただ、“今”に戻ればよかった。
過去でも未来でもなく、
この一瞬を生きること。
それだけで、
心は、ずっと軽くなる。
もし今、
理由のない不安を抱えているなら。
それは、あなたの心が弱いからじゃない。
ただ少し、
“今”から離れているだけなのかもしれない。
―The Inner Luxe―